Acoustic Energy AE1 40th Anniversary Edition
製品概要 (Product Overview)
1987年、スピーカー業界はAcoustic Energyの『AE1』の登場によって激震が走りました。当時の常識を覆すコンパクト・モニターであるAE1は、まさに革命でした。この極めて小さなスピーカーが、それまでは遥かに巨大なエンクロージャーでしか成し得なかったダイナミックレンジ、圧倒的な解像度、そして深い低音の伸びを実現したからです。
初代AE1は、一切の妥協を排除し、スタジオグレードのパフォーマンスを発揮できるコンパクトスピーカーを創り出すというビジョンから誕生しました。当時の無骨で非効率的な箱型設計からの大胆な脱却であり、見事にその狙いは的中しました。AE1は、レコーディングスタジオから世界中のオーディオマニアのシステムに欠かせない銘機となりました。
そして数十年が経ち、この画期的なスピーカーの誕生40周年を記念して、最先端のエンジニアリングとタイムレスなデザインを融合させ、その偉大な遺産を現代に蘇らせた『AE1 40th Anniversary Edition(40周年記念エディション)』を、誇りを持って発表いたします。
新しいAE1の設計は決して簡単な作業ではありませんでした。歴史的名機であるだけでなく、当時のオリジナルパーツはすべてすでに生産終了となっていたため、私たちはすべてをゼロから設計しなければならなかったからです。
このスピーカーの素晴らしいサウンドと並外れたパフォーマンスの評判はすでに確固たるものとして確立されていたため、オリジナル設計から大幅に逸脱する余地はありませんでした。各エレメントは往年の銘機と同じように鳴るよう精密に作り込まれ、かつて粗削りだった部分をなめらかに調整する際にも、オリジナルが持つ偉大さを損なわないよう、極めて慎重に、最小限の修正にとどめました。このスピーカーは、世界中に存在する数多くの熱狂的なAE1ファンを十分に納得させると同時に、その輝かしい歴史を知らない新しい世代のオーディオファンの心も魅了しなければなりませんでした。
そこで私たちは、オリジナルを損なわないよう慎重に配慮した上で、いくつかの現代的な進化を取り入れました。高質量・高剛性、高BLモーターで強力に駆動されるストレート形状のウーファーコーン、伝統的なツインフロントポート(デュアル前面バスレフ)を備えた小型・堅牢かつ重厚なキャビネット、そしてメタルドーム・ツイーター。これらこそが、本スピーカーを定義する最も本質的な要素です。
TECHNICAL INFORMATION
ツイーター (Tweeter)
長らく生産が途絶えていたオリジナルの性能にマッチさせるため、完全に新しいツイーターが専用開発されました。通常使われる25mmドームより一回り大きい、大型29mmボイスコイルとアルミニウムドームを搭載。放射面積を広げることで、歪みを極限まで低減しています。優れた帯域幅を確保するため、ドームの形状自体は極めてシャロー(浅い)なプロファイルを採用しつつ、大型のリアチャンバーを装備することで最低共振周波数を低く抑え、背面への不要なエネルギーを効率よく吸収します。さらに、オリジナル同様、磁性流体(フェロフルイド)冷却および制動を施すことで、許容入力を高め、広いダイナミクスを確保し、熱圧縮(熱によるコンプレッション)を最小限に抑えています。
ウーファー (Drivers)
新しいウーファーもまた、初代が持つ特徴的なサウンドに正確にマッチするよう専用開発されました。新しいコーンは、現在の業界基準である125mmウーファー規格に準拠してわずかに大型化されており、放射面積の拡大により効率が高まり、歪みをさらに抑制し、より多くの空気を駆動できるようになりました。
コーンの設計はオリジナルウーファーの核心であり、小柄なサイズからは想像できない極めて自然な中音域、高い許容入力、そして俊敏なダイナミクスを生む、初代の成功における最大の要素でした。そのため、直線的なアルミストレート形状をそのまま採用し、一般的なプレス加工ではなく、現在ではほとんど使われなくなった『スピニング(へら絞り)』成形プロセスをあえて継承しました。コーン自体は、両面に施された肉厚なセラミック硬質アルマイト層で強化され、非常に高剛性なサンドイッチ構造を形成しています。
トレードマークであるアルミ製『尖った(pointy)』ダストキャップの下には、非常に強力な磁気回路に加えて、熱伝導率に優れたアルミニウム製ボイスコイルが配されています。そして現代的な改良点として、磁気回路内にアルミニウム・ショーティング・リングを追加しました。これにより、ボイスコイルのインダクタンスが動作時に変動することで生じる歪みを劇的に低減しています。また、オリジナルのDCR(直流抵抗)は7Ωで、これが「鳴らしにくく、ハイパワーなアンプが必要」と言われた一因でもありましたが、新設計ではDCRを5Ωに設計しました。これにより、新しいAE1はアンプを選ばず、少ないパワーでも容易に素晴らしい音を奏でることができます。
クロスオーバー (Crossover)
オリジナルの超豪華な限定版『Signature』からインスピレーションを受け、クロスオーバーには低次フィルターと超高品質なパーツが採用され、きわめて自然で、まるでライブを聴いているかのようなダイナミックな音を実現しました。今回の最新バージョンでは、元祖スタジオモニターとしての無機質な傾向よりも、一般的なご家庭のリビングやホームオーディオ環境でより音楽を豊かに楽しめるよう、音響バランスを最適化しています。その結果、温かみのある自然な中域、サイズを超えた豊かな低音の量感、聴き疲れしない耳に優しい高音域、そして再生帯域全体にわたる並外れたパンチ力を獲得しました。
キャビネット (Cabinet)
これらすべてが詰め込まれたユニットとクロスオーバーの進化は、極めて豪華な仕上げが施されたキャビネットに収められています。10層にも及ぶ塗装を重ねたピアノ仕上げのハイグロス・ブラック、またはウォルナット天然木突板で仕上げられたキャビネットは、オリジナルAE1の音響特性に合うよう徹底的にチューニングされています。
さらにキャビネット素材には、フラッグシップモデル『Corinium』から『300シリーズ』に至る高性能モデルに採用され実績のある、独自の『RSC™(Resonance Squelch Compound)』制振複合材を新たに導入。キャビネットの剛性を従来設計より大幅に高めることで、生産上の大きな問題(重量過多や施工の難しさ)を伴うことなく、初代AE1が採用していた「内壁コンクリートライニング構造」と同等の引き締まった鳴りを完全に再現しました。また、オリジナルのポートパーツは現在入手できないため、ポートの金型を新たに作り直し、ポートの内部にフレア(広がりのあるテーパー形状)を追加するなどの微細な変更を施すことで、ポートノイズや空気の乱れを抑え、歪みのない豊かな低音再生を可能にしました。
SPECIFICATIONS
ツイーター: 29mm アルマイト処理アルミニウム・ドーム
ミッド/バス・ドライバー: 125mm スピン成形・セラミック硬質アルマイト処理アルミニウム・コーン
周波数帯域: 50Hz – 45kHz (+/- 6dB)
入力感度 / 能率: 87dB/m/2.83v
許容入力: 150W
クロスオーバー周波数: 2.8kHz
インピーダンス: 6 Ohms
形式: 2ウェイ・バスレフ型
キャビネット: 18-22mm厚 RSC™拘束層HDF/ビチューメン構造、ブレース内骨格補強、前面ツインバスレフポート
グリル: マグネット装着式ファブリック製グリル
寸法 (H x W x D): 295 x 180 x 240 mm
重量: 7.0kg (1台あたり)
仕上げ: ハイグロス・ウォルナット、ハイグロス・ブラック
※仕様は予告なく変更される場合があります。
※製品画像にはコンピュータグラフィックス(CGI)が使用されているものがあり、実際の量産モデルと細部が若干異なる場合があります。
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